「あの人みたいに上手くできない・・・」
会社の同期は、自分にとっても周りにとっても比較対象になりやすい存在ですよね。そんな同期が優秀だった場合、どうしても劣等感を感じてしまうものです。
同期がいい人だとしても、「こいつさえいなければ・・・」そんな風に思ってしまうこともあるかもしれません。
この記事では、実際に優秀な同期に差をつけられ、劣等感で苦しんだ3人の方の体験談を紹介します。
また、『同期より劣っていると感じている方がやるべき2つのこと』も合わせて紹介してますので、参考にしてください。
【体験談】社交的な同期だけが先輩に気に入られて辛い
転勤先の社宅で初めてあったすごいコミュ力の同期
新卒入社当時の話です。私が入社した会社は、新人研修が東京と大阪の2か所に分かれておこなわれていました。
学生時代から人前に立つことが多く、新人研修でもグループリーダを務めるなど、コミュニケーション能力に不足を感じたことはありません。
ただ、配属が決まり転勤先で初めて会った同期が物凄いコミュ力の奴でした。
いつもニコニコしていて、性別関係なく誰の懐にもスッと入っていく、今まで出会ったことのないタイプです。
色々なことに良く気付いて、感謝の気持ちを心から表現できる、なんというか手伝った側が嬉しくなるような特別な雰囲気をまとっていました。
その同期と私と先輩2人が同じ社宅に住んでいました。
同期のおまけで誘われる飲み会が苦痛
同期で知らない土地にいて同じ社宅。もちろんすぐに仲良くなり、社宅に帰ってからもよく一緒に過ごしていました。
ただ、先輩と飲みに行くときは切ない思いをすることに。先輩が飲みに誘うのは必ず同期です。
同期が、私と予定があると伝えることで、「じゃあ○○君も」とおまけで誘われることがほとんでした。
飲んでいる最中も、先輩たちの話す目線の先はいつも同期で、私は楽しそうに話している人たちを眺めに行っているようなものでした。
そのうち、同期と先輩たちだけで飲み行っている空気も感じ、先輩たちとうまくコミュニケーションをとれない自分に引け目を感じるようになりました。
当時、部屋に一人でいると、「自分の何が悪いのか・・」と無意識に考えてしまう時間が多かったです。
先輩からの仕事のフォローにも差があり辛い
仕事の面でも差を感じていました。要領は同期も私も、そんなに違わなかったと思います。
ただ、先輩からのフォローに差を感じずにはいられませんでした。例えば、先輩から引き継いだお客様の情報の受け渡しです。
同期にはお客様の特徴をまとめたエクセルファイルを作ってあげていて、私には引継ぎの時に口頭で聞いた情報だけでした。
同期は「先輩にお願いしてエクセルファイル作ってもらったほうがいいよ」と言いましたが、断られるかもしれないと思うと怖くて言い出せませんでした。
また、契約のクロージングの同行も同期と私とでは差がありました。同期のクロージングの場合は、先輩が予定をずらしてでも同行していましたが、私の時は、私が予定をずらすか一人で行くことさえありました。
今まで生きてきた中で一番惨めな思いをした時期です。
その1年後に1人の先輩が転勤し、新しい先輩が入ってきて状況が少しづつ変わってくれて、本当に助かりました。
今は私も転勤して、同期とも離れましたが、もし転勤のない会社であの時間がずっと続いていたらと考えると、耐えられず辞めていたとしか思えません。
【体験談】同期ばかり信頼される環境に耐えられず休職するはめに
新入社員研修で質問できない私と積極的な同期
私は新卒、同期は転職での入社でした。入社のタイミング同じだったため、新入社社員研修に同期も混ざることになりました。
総合職は10人ほどいましたが、内勤は私一人の予定だったので、内勤の同期ができたことにうれしく思っていました。
ただ、研修が始まってから「一人のほうがマシだったかもしれない」と思うようになります。
同期は2年の社会人経験があり、事務職だったため、ある程度の知識を持っていました。それに比べて私は、バイトはしていたもののビジネスマナーも分からず、事務経験もなく研修についていくだけで必死でした。
同期はよく質問をする人で、講師をしている社員に気に入られていました。私は、何が分かっていないかも分からず、講師に「何か分からないことありますか?」と聞かれても、何も頭に浮かんでこず、無言になってしまうことがほとんどでした。
同期の表裏のある性格を知り余計に辛い毎日
研修が終わり、実務に入っても同期との差は歴然です。同期はなんでもすぐに覚えて、そつなくこなします。
また、同期は人づきあいも上手で、配属されて1週間も経たないうちに、先輩と冗談を言い合える関係になっていました。
はじめはそんな同期に憧れていました。仕事で分からないことがあれば、たいてい同期が教えてくれましたし、コミュニケーションに関しても、「どんなタイミングで話しかけるのか」「どんな内容の話をしてるのか」を観察して、真似しようとしていました。
しかし、二人でいるときに先輩の悪口が増え始めた辺りから、同期に違和感を覚え始めました。
仕事を覚えるのが遅い自分と、裏表のある性格の同期への嫌悪感で2重に辛い日々でした。
同期との評価の差に我慢出来ず精神的にまいってしまった
入社して1年も経つと、物覚えの悪い私でも大体のことは1人で出来るようになっていました。
しかし、先輩達からの「仕事ができない子」という印象を変えることはできていません。仕事を頼まれたり連絡事項を伝えられるのは、いつも同期でした。
ある日、私が発注した現場で、納品物が違い会社に損害が出るミスが起きました。私は、発注書通りに注文していましたが、営業さんから同期に電話で発注訂正があったのを、訂正し忘れていたことが原因でした。
同期は私に伝えたと言い張り、私は聞いていないと言うものの、周りの目は私が悪いと決めつけ、結論がでないままミスの原因追及は終了。
私の会社では等級制度をとっていて4半期ごとの査定です。
発注ミス事件のあとの査定で、同期が1階級上がり、私が1階級下がったことで、「信頼関係が築けていないと他人のミスも被らないといけないんだ」と思い、何もやる気が起きなくなりました。
会社に行くのが苦痛で、体調がずっと悪かったので、病院に行ったところ『適応障害』と診断されました。
先生に「適応障害」は「うつ病」の前段階と説明をうけ、「無理して悪化する前に休職を」と勧められたので、現在は休職して自宅療養中です。
【体験談】すごい優秀な同期や後輩と比べ続けられた地獄の2年間
優秀な同期に合わせたペースで進む研修に全くついていけない
同期と私は中途採用で入社しました。その同期が優秀すぎてこれまでにない劣等感を感じることに。
入社した企業は、資格がないと営業ができないため、資格取得の研修が2か月にわたります。その研修の時から同期は違いを見せていました。
簡単に言えば、1説明されると10分かる天才タイプです。講師の社員さんも「こんなすごい奴はじめてだ」と言ってしまうくらい研修の時から優秀でした。
「なんでそんなに理解力があるの?」と私が同期に質問すると「ゴールから逆算して考えるだけだよ」とのこと。私は今でもそんなことできません。
優秀な同期に合わせたペースで研修が進むため、私は全く理解できません。研修のスピードが速いため、時間が余ると自習になり、講師の社員さんは自分の仕事に戻ってしまいます。
しかし、分からなかった部分も同期が親切に教えてくれた結果、2か月で私も無事に資格をとることができました。
同期の指示でしか動けない自分が情けない
同期と私の間柄は研修の時に決まってしまったように思います。
実務に入ってからも、分からないことは当たり前のように同期に頼るようになっていました。
順調に成績を上げる同期と、全く成果上げられない自分。研修の時から感じていましたが、「自分は同期の引き立て役でしかない」と劣等感が強まる日々でした。
周りの先輩方の見る目も、私と同期とでは違います。同期が失敗したら、注意やアドバイスがありますが、私がミスしても「まぁ、、無理しないで」とお荷物のような扱いでした。
いつしか、先輩や同期のサポートが自分の主な役割になっていて、それを当然のように受け入れていることに情けなさを感じずにはいられませんでした。
後輩にも劣る自分に耐え切れず退職を考える
1年半経っても相変わらずサポートがメインでした。ただ、私が入るまでは個人個人でやっていた事務作業を私が集約してやることによって、営業効率がよくなり、支社の業績が上がっていました。
雑用をやらされている感はありましたが、会社の役に立っているという思いもあり続けることが出来ました。
さらなる効率上昇を見込んで、営業サポートをもう一人雇うことになりました。その新入社員も仕事ができるタイプです。
最初は仕事を教えていたものの、すぐに覚えて、営業がしやすいようなに先回りして行動ができるので、先輩からすぐに可愛がられていました。
そのころには支社のエースになっていた同期だけは、私に仕事を任せてくれます。しかし、後輩と比較したダメ出しが増え始め頃から、自分の無力さを再認識して、仕事への意欲がなくなっていきました。
同僚からの厳しいアドバイスも、優しさから言ってくれているのは感じています。ただ、どうしてもできない自分に嫌気がさし、退職するべきか本気で悩んでいます。
同期より仕事ができないと感じるあなたがやるべき2つのこと
同期と戦わず昨日の自分より成長する事を意識する
仕事で同期に劣等感を感じるということは、常に同期と自分を比べているという心理状態です。
ただ比較しているだと、「同期は出来ているのに、自分は出来なくてダメだ」と自己否定感だけが強くなってしまいます。
また、自己否定を繰り返していると、仕事への集中力がもたずミスをするなど悪循環になる場合が多いです。
同期に少しでも追いつくために必要なのが、自分の成長にスポットライトを当てること。
出来ることを少しづつでも増やしていって、小さな達成感を積み重ねる。そして『仕事へのモチベーション』を保ち続けることがあなたの成長に繋がります。
時間をかけて手に入れた能力はあなたの一生の宝になり、なによりコツコツ継続する習慣を手に入れることで、これからどんなことにも挑戦する勇気をもてるでしょう。
毎日の言動を振り返りノートに書いておく
昨日の自分より成長するためにオススメの方法は『毎日ノートに書いていくこと』です。
ノートに書く例は、
- 今日直したいと思ったポイント
- なぜ直したいのか
- 直すためにどのような行動が必要か
- 今日チャレンジできたこと
- 理想の自分像
このようなことを毎日書いてみてください。最初は毎日同じような内容になると思います。ただ、毎日続けいていると、「こう書いたほうが自分に合ってるような気がする」とある日突然ひらめくので、驚くと思います。
同期と比較するのはダメですが、良い部分を盗むためにも観察はするようにしてください。「直すためにどのよう行動が必要か」ヒントを見つけることができるでしょう。
また、ノートに書くことによって、今まではその瞬間に思っては流れていた出来事が、より具体的になり自分事として捉えることが出来ます。
頭の中で思ったあいまいな目標より、ノートに書いて具体的にした目標のほうが何倍も行動に移しやすいので、ぜひお試しください。
どうしても同期との比較で消耗するなら転職を考えよう
自分の中で同期と比較してしまうだけなら、あなたの意識で良い方向に向かうこともできるでしょう。
しかし、周りからも比較される状況だと、あなたの成長に時間がかかればかかるほど、神経がすり減ってしまいます。
コチラで「職場での孤独で鬱になった3人の体験談から分かる「うつに気づいた理由」に、精神的ダメージから「うつ病」と診断された方の体験談を紹介しています。
うつになった方の体験談からも分かるように、心身ともに健康じゃないと仕事をするのもままならなくなります。
「逃げ」「甘え」と考えて無理し続けて、病気になっても誰も幸せになれませんよね。
精神的に限界になる前に転職することは、あなたの未来を守るために必要なことです。
「【孤立職場からの転職方法】理想の転職に必要な今すぐやる3つのこと」では、どのような準備をして転職活動をするべきかを紹介してますので、参考にしてください。
まとめ
優秀な同期と比較することは、あなたにとってプラスになることは何一つありません。劣等感という負の感情が大きくなるばかりです。
同期との劣等感を克服できた方は、『自分の成長』に意識を切り替えられた方がほとんど。
様々な年齢の人たちと一緒に仕事する空間の中で、同期は特別な存在なので、意識してしまうのしょうがありません。
しかし、同期と自分の比較ばかりに気をとられていたら、状況を変えることはできませんよね。こんなときこそ、自分の成長にフォーカスをあてるべきです。
また、体験談で紹介した方のように、メンタルが弱りきる前に、休職や転職を視野に入れるのも一つの手です。
「若いから大丈夫」「自分がうつになるわけない」このように油断して無理していると、突然症状がでることもあります。
『心身共に健康』ということを1番に考え、同期に対する劣等感を克服していきましょう。