「転勤先で上手くやっていけるかな・・・」
これは、転勤が決まったら誰しもが思うことです。転勤先に顔見知りの方がいても、「仕事でずっと一緒となると上手くいかないかも」と不安がよぎりますよね。
そんなあなたのために、この記事では、「転勤先で受け入れられる5箇条」を紹介します。
今まで人間関係が上手くいってなくてもリセットできるのが転勤。これから紹介する5箇条を胸に、理想の職場環境を手に入れましょう。
転勤先で受け入れられる5箇条
今までの職場で人間関係が上手くいってなかった方にとって、転勤は大チャンスです。職場での自分をやり直せる環境は転勤以外そうそうありませんよね。
しかも、転職と違い「会社の風習」や「仕事の流れ」を理解してるので、受け入れてもらうための言動を意識しやすいです。
転勤先に、元の職場での状況が噂になっていたとしても、あなたが積極的に行動していれば、時間をかけずに良い印象に変えることが出来るでしょう。
また、先輩・後輩に関わらず「相手を受け入れる気持ち」を持つことも大事です。上司や先輩には礼儀正しいのに、後輩には横柄だと社内での印象が良くなることはありません。
相手を受け入れる気持ちを持って仕事に取組めば、必ずあなたも職場に馴染むことが出来ますよ。
周りに合わせて仕事ができる
同じ業務でも、拠点が違えばやり方が異なることがあります。転勤早々「このやり方は違う」「こっちのほうがやりやすい」と意見するのはやめましょう。
「協調性がない人」とレッテルを貼られたら、だいぶマイナスからのスタートになってしまいます。それに実際にやってみないと、本当に今までのやり方が良かったのか分かりませんよね?
今までのやり方に慣れているから『あなたにとってやり易い』だけで、慣れてしまえば転勤先のやり方のほうが効率的なこともあります。
転勤先のやり方をやってみて非効率と感じた場合も、人間関係が出来てから『提案』すれば角が立たないでしょう。
転勤早々に意見してしまうのは、本社や大きい支店から、小さい支店に異動した方によく見られる特徴です。あなたは親切心でも、相手に嫌な思いをさせては意味がないので、注意しましょう。
教えてもらう気持ちがある
「手順が違って迷惑かけたらいけないので」と最初は確認しながら作業しましょう。もちろん手順チェックのためでもありますが、細かいコミュニケーションを積み重ねることが出来ます。
言葉を交わす回数を増やすことで親近感がわかないはずありません。相手が忙しい時を避ける必要がありますが、業務内容の確認をするだけなら、たとえ話すのが苦手でも大丈夫ですよね。
また、転勤先の手順を確認することで、「ココを受け入れようとしてくれている」と相手は感じるでしょう。そんな努力をしているあなたに、攻撃的や無関心な態度をとる人は少ないはずです。
ただ、2つ注意点があります。
- 質問した後に必ず笑顔で「ありがとうございます」と感謝を伝える
- 同じことを聞かない
この2点を守っていれば、好印象につながること間違いなしです。
まずやってみる姿勢
転勤すぐは引継ぎなどで忙しいですが、「まずやってみる姿勢」を持ちましょう。最初はどうしてもお客様感覚があって、自発的な行動が出来ない傾向にあります。
周りの方も「来たばかりだから積極的に行動できなくても仕方ない」と思っている場合が多いことも事実。ただ、そこで自分から行動できる人は「それだけでイメージアップ」することが出来ます。
以前の職場に転勤してきた所長の話です。その方は引継ぎの合間を見て、「シュレッダーのゴミの片付け」「備品庫の整理」など雑用を積極的にやっていました。
「なぜそんなことをするのか」聞いたところ
「業務の一通りの流れをやってみることで、どんな苦労があるか分かるから、やってくれるスタッフにより感謝の気持ちを持てるからだよ」
と言われました。たったこれだけのことですが、「他の人とは違う」とみんなで感じたものです。
雑用でもなんでもいいので、積極的な行動を見せることで「違い」を生み出すことが出来ます。
土地に興味を持っている
転勤当初は業務の話をすることでコミュニケーションをとることが基本です。雑談ばかりしていると、周りに「戦力にならないんじゃないか」と警戒されるかもしれません。
ただ、仕事以外の話でコミュニケーションをとる場合は、「転勤先の土地」に関する話題がいいでしょう。
- おいしいランチのお店
- 観光名所
- 買い物スポット
- 酒の種類が豊富な飲み屋
話し相手によって得意分野があるはずです。得意分野が分かれば、掘り下げて聞くことで、心の壁を少しづつでも取り払うことが出来ます。
また、土地に興味を持つ一番のポイントは、「馴染もうとしている」と職場の人に感じてもらうことです。
あなたが思っていても伝わらなければ意味がありませんよね。言葉で意思表示するのに都合がいいのが、「転勤先の土地の話」になります。
溶け込むための行動ができる
仕事だけ一生懸命やって圧倒的な成績をのこすなど、「戦力」になれば頼りにされて職場に馴染むことが出来ます。
ただ、『頼られる存在』になるのは誰もがすぐ出来ることではありません。時間をかけて努力すれば『頼られる存在』になれますが、もっと早く職場に馴染みたいのであれば、別のアプローチも必要になります。
飲み会に参加するのは一番ポピュラーでしょう。お酒を飲むことで、職場では見せない人間性が見れるなど、多くの情報が手に入ります。几帳面、大雑把、面倒見がいいなど性格を把握できると、仕事をするうえでの注意点も変わってきます。
相手を受け入れて、相手に合わせた言動ができれば、あなたへの信頼感は確実に変わってきます。
また、「土地の話」で紹介されたお店に実際に行って、感想と感謝を伝えることも、「相手を受け入れる」溶け込むための行動と言えるでしょう。
転勤のメリット・デメリット

Startup Stock Photos
「転勤は重大な理由がないと断れない」
実はこれ日本特有の環境です。欧米では取締役クラスの幹部を除き、ほとんどが公募制で、自ら望んだ人が転勤しています。
これまで日本に『終身雇用』の考え方が強かったため、転勤を断ってはいけない風潮や規則が今も残っています。
「終身雇用の崩壊」「転勤による昇進が期待できない」これらの理由から、不要な転勤の見直しや公募制を導入する企業が増えてくるかもしれません。
ただ、現状では転勤を受け入れるほかありません。転勤による「終身雇用」「昇進」が期待できないなら、自分の能力アップを目的にするしかありません。
年功序列で階級が上がらない。これは自分の能力アップに力を入れている人には大きなチャンスですよね。転勤のデメリットばかりに囚われないで、あなたの成長の糧にしていきましょう。
転勤のデメリット
お金がかかる
転勤で自分の持ち出しが必要なことがほとんどです。特に大きなお金が必要になるのが新居の「敷金・礼金」です。
引っ越し費用とある程度の引っ越し準備金の補助があるものの、「敷金・礼金」を完全に負担してくれる企業は少ないです。
もしあなたの会社が、すべて負担してくれるのであれば「社員のことを考えた制度」を持っている企業と考えていいでしょう。
また、転勤のたびに貯金が減っていくので、ライフプランをたてづらいと感じている方も多くいます。
転勤がある会社に勤めているのであれば、転勤を想定したお金の管理が必要になりますね。
ただ、お金を管理し、自制心を養うことは、これからのあなたの人生で必ず役立ちます。あなたの健康や人間関係にいたるまで、自制心をベースに左右されることを覚えておきましょう。
手続きが面倒
転勤するということは、住居が変わることなので多くの手続きが必要になります。
- 住民票の移動
- 子供たちの転校手続き
- 電気
- ガス
- 水道
- 銀行への住所変更
- クレジットカードの住所変更
- 運転免許証の住所変更
主な手続きだけでもこれだけあります。専業主婦(夫)のパートナーがいれば、助けてもらうこともできるかもしれませんが、共稼ぎや独り身の場合はそうはいきません。
引継ぎなどの仕事の合間を縫って、引っ越し準備と並行して各種手続きをすることになります。
また、今までお世話になった取引先の方への挨拶や新居探しもあり、目が回るくらいやることがあります。
ただ、日々仕事の段取りをうまく組めている方は、さほど苦労している様に見せません。転勤に慣れている先輩のアドバイスは
「全部一気にやろうとするからテンパる。1つづつ順番に終わらせていけば、そんなに大変じゃないよ。」
というものでした。当たり前のアドバイスでしたが、1つづつ終わらせる意識に変えただけで、落ち着いて転職の準備ができたことも事実です。
大きく環境が変わる
住所の変更が伴う転勤は、生活環境がまったく違うものになります。
- 友人と離れる
- 恋人と離れる
- 親と離れる
- 結婚相手と一緒に転居できるか
- 子育ての環境
今まで友人とのプライベートの時間で、仕事のストレスを乗り切っていた方には、ストレスのはけ口がなくなるのはツラいことですよね。転職先で、友人と呼べる人ができるかどうかも不安なところです。
また、お子さんがいると、転校先で子供がうまく馴染めるかという不安もあります。親の都合で子供がツライ思いをしたら、自分が職場に馴染めないよりも心にダメージを負うでしょう。
環境の変化は自分でもどうすることもできませんが、人間としての経験値を上げてくれるのは間違いありません。
転勤のメリット
緊張感を取り戻す
業務内容が同じでも、取引先が変わればまったく同じ仕事をしているということはありません。
ただ、職場のメンバーがいつも同じだと、どうしても気のゆるみが出てくるものです。緊張感なく、惰性で仕事をしていたら一日が終わっていたなんてこともありえます。
しかし、転勤して職場の環境が変わることで状況は一変しますよね。新しい職場のやり方に慣れないといけないし、職場にどんな人がいるかも把握しないといけない。
同じ会社に勤めていながら、緊張感をもって仕事する機会があるのは転勤以外にありません。これまでの自分の仕事のやり方を振り返る機会にもなり、自分の成長にフォーカスあてれば、必ずステップアップに繋がります。
モチベーションアップ
転勤することによって、以前より責任ある仕事を任される場合が多いです。
特に小さい支店に異動した場合、本来なら1階級上のクラスの人がやる仕事を任されるなど、仕事の幅が広がるのが転勤の特徴です。
「同期がまだやってないような仕事を自分は手掛けている」最初はうまくいかなかったとしても、学ぶ気持があれば、必ず成功体験を積み上げることが出来ます。
転勤による昇進が約束されていないとしても、転勤があなたのステップアップの手段ひとつであることに変わりありません。
また、他の人の仕事のやり方に触れる機会でもあります。業務内容が分かっている状態で、他の人のやり方を改めて見直すと必ず自分と違う面が見えてきます。
自分と違う仕事の進め方や考え方を知ることで、工夫する意欲が出てきてモチベーションがアップすること間違いありません。
人脈が広がる
会社にはそれぞれの業務のスペシャリストがいるものです。そして、スペシャリストが要職に就いていないく、地方に営業所の片隅にいて驚くこともあります。
また、取引先の方も人脈です。
私が施工管理の仕事をしていた時のこと。私が転勤してすぐの現場で職人さんがミスをして、補修が必要になった時がありました。
しかし、難しい補修で現場の職人さんには直せません。そこで以前の営業所でお世話になっていた職人さんに相談したところ、500キロも離れているのに現場にきて補修してくれたのです。
ミスをした職人さんとも仲良くなり、私が困っている時に助けてくれたり、新しい職人さんを紹介してくれたりと本当にありがたかったです。
自分一人で出来ることは限られている。人脈を築くことは、スムーズに仕事をするために必須なのは疑い余地がありません。
まとめ
転勤に不安はつきものです。
ただ、自分の考え方次第で大きくプラスになるのも転勤の一面です。転勤が避けられないなら、自分にとって意味のあるものにしたいですよね。
終身雇用も約束されず、転勤したからといって昇進できるかもわからない現状。だったら、会社のいいように流されるだけではもったいありません。
あなたにとって良い環境を手に入れて、自分で環境を作り出す能力を手に入れましょう。
「プラスの意識で働くか、マイナスの意識で働くか」たったこれだけの事でも周りの反応は違います。あなたがずっと同じ会社で働くにしろ、いづれ転職するにしろ、プラスの意識で転勤して、自分で環境を作り出した経験は必ずあなたの肥やしになりますよ。