こんにちは、篠崎(しのざき)です。
もし、新卒で入社した会社がブラック企業だったり、職場の雰囲気が悪かったり、上司と合わなかったらつらいですよね。
私の中学からの友人も、新卒でアニメ関係の仕事に就きましたが働き続けることに疲れ、1年と少しで辞めました。
その後、未経験の職種に転職し、また続かず…。
やりたかった仕事もできず、最終的には地元に帰って、工場のライン作業で働いています。
もちろん職業に上下はありませんが、新卒で入った会社をすぐに辞めると様々な問題があります。
一時の感情に身を任せてしまうと、社会人としてのその後の人生が大きく狂ってしまう怖れがあります。
なので、この記事では私が転職を繰り返す友人から相談された内容も含めて、新卒で入社した会社をすぐに辞めてしまった後に待つ厳しい現実について書いていきます。
新卒で入社した会社をすぐ辞めてはいけない理由
簡単に転職を勧める人は多いですが、リスクを知らないうちの転職は危険です。
特に、新卒で入社した会社をすぐに辞めてしまってはいけない理由があります。
仕事の根幹を決めるのは最初の会社
これからの社会人生において、自分の仕事の根幹を決めるのは新卒で入社した最初の会社です。
仕事の根幹とは、例えば次のようなものです。
- 業界(メーカー・商社・サービスなど)
- 職種(営業・事務・SEなど)
- 仕事の仕方(メールの仕方・報連相の仕方など)
- 対人関係(社内関係・顧客関係)
- 仕事への向き合い方(出世意識・給料意識など)
どんな業界で、どんな仕事を、どうやって、何を考えて仕事をしていくのか。
最初の会社では、この先40年ほどの人生の過ごし方を決めることになります。
もちろん、途中で変えることはできますが、新卒は色のないキャパスのようなものです。
最初の色が、後々のキャンパス全体に大きな影響を及ぼすことも簡単に想像できるでしょう。
すぐ辞める人のレッテルが貼られる
新卒は少し特殊です。
通常の社会人であれば、転職する人も多いので周りも特に何も思いません。
しかし、こと新卒で関しては、すぐに会社を辞める人は「すぐに辞める人」というレッテルが貼られます。
すぐに辞める原因が会社や、上司にあったとしても悪いのは「すぐ辞める人」と見なされてしまいます。
なぜなら、周りからしたら本当の原因が分からないからです。
会社が悪いのか、上司が悪いのか、辞めた人が悪いのか分かりません。
唯一はっきりすることは、新卒で入社した会社をすぐに辞めてしまった、ということです。
社会は別に1人の社会人に優しいことはありません。
むしろ、減点方式の社会なので、減点すべきことがあれば容赦なく減点されていきます。
そのため、「すぐに辞めた人」というレッテルは、この先も長く足かせとなってしまうわけです。
仕事・会社の本質が見えていない
会社を辞めたくなる原因は、仕事内容や会社にある場合が多いです。
残業過多だったり、会社の体質的にブラックだったり。
しかし、辞める人にも原因がある場合があります。
仕事や会社の本質が見えていなくて、当たり前のことをまだ知らなかったり、理解できていないことがあるわけです。
例えば、遅刻をしてしまったり、ミスをしても謝らなかったり、新卒の給料は低い理由を理解できないといったことです。
学生であれば、許されていたことや、大目にみてもらえていたことが社会に出た途端、許されなくなります。
学生と社会人のギャップを、社会や他人のせいにしてしまって会社を辞めようするとどこに行ってもやっていけないでしょう。
最低限の経験がない
会社や仕事の本質が見えていないと同様、新卒で働いたばかりで最低限の経験がありません。
仕事の経験はもちろん、社会人としての経験もないわけです。
もし、何も経験がない状態で辞めてしまったら、採用してくれる会社がどのくらいあるでしょう。
要は、仕事の経験も、社会人としての最低のマナーも何もないけど、1から教育をしてまで欲しい人材でない限り、採用してくれる会社はありません。
なぜなら、同じ経験がないなら、普通の新卒を採用した方がメリットは多いからです。
たとえば、
- 教育を一斉に始められる
- 自分の会社色に染めやすい
- しっかり面接や採用試験を通して判断できる
- 問題がある人である可能性が低い
- 新卒採用の実績ができる
- 色々と準備をしたうえで採用できる
などです。
最低限の経験がないすぐに辞めた人は、新卒より採用価値がないわけです。
そのため、採用されるのも新卒の就活より、非常に難しいものとなることが予想できます。
周りから遅れを取る
新卒で入った会社をすぐに辞めるということは、同じ時期から働き始めた人、ほかの新卒から遅れを取ることになります。
退職を申し出て、退職準備をして、次の転職先を探して、転職活動をして、採用されて、入社手続きを取って、入社。
少なくても、他の新卒よりこれだけ多くのイベントをクリアしていかなければいけません。
多大な時間を使うことは目に見えています。
もちろん、他の新卒はどんどん仕事を覚えていきます。
人によっては、活躍し始めるひともいます。
新卒で入社して1年目は、成長速度が一番はやい時期です。
何なら最初の1年はこの先の社会人人生でも、大切な1年となります。
ここで遅れを取るか、周りに差を付けるか、長い人生を考えた時に遅れを取ることは得策ではありませんよね。
新卒がすぐに辞めた後の厳しい現実
転職先が見つかりづらい
新卒がすぐに辞めてしまうと、その後の就活に苦労することが多いです。
最大の理由が、転職先が見つかりづらい、からです。
売り手市場と言われる転職業界でも、だんだん厳しくなってきています。
それも、ほとんど経験や実績がない新卒間もない人にとってはもちろんより難しいと考えられます。
人によっては、経験や実績があってもなかなか転職先が見つからないこともあります。
50社、100社も書類選考を落ちることもあります。
よっぽど他の人と差別化を図ることができなければ、新卒にとって転職先を見つけることは難儀するでしょう。
正社員の道を諦めざるを得ない
転職先を見つけることができない人は、だんだん転職活動に疲れ、正社員の道を諦める人もでてきます。
転職活動は新卒の就活とは違い、全員一斉にスタートするわけではありません。
新卒の就活では、ライバルは学歴は違えど同じ年齢の学生でした。
しかし、転職活動では既に社会で経験をしてきた人たちがライバルになります。
会社も慈善事業で行っているわけではないので、同じ給料を払うなら経験がある即戦力を採用したいものです。
そうして、転職活動もうまくいかず、貯金も使い果たすころには正社員を諦めて、「一旦」非正規の道を選ぶことになります。
非正規で働くデメリット
非正規で働くのは、正社員に比べてデメリットがあることは周知の事実です。
最もよく言われる話としては、生涯賃金の違いです。
色々なデータがありますが、正社員の生涯賃金は1億8000万円で非正規の生涯賃金は9000万円とも言われ、その差は9000万円もあります。
新築の家が2軒たつほどの違いがあるわけです。
しかし、非正規で働くデメリットは生涯賃金だけではありません。
最も恐ろしいのは、一度、非正規で働くと正社員に戻りづらくなる、ということです。
日本は挫折社に厳しい
日本はドロップアウトした人に厳しい社会です。
40歳を超えて会社をリストラされた人が、深夜のコンビニなどでアルバイトしているといった話も聞いたことがあるでしょう。
周りの友達でも、正社員ではなくいつまでもフリーターをしている人がいませんか。
さらに非正規で働いてしまうと、何となく毎日は過ごせてしまいます。
急に生活が苦しくなることはありません。
でも、将来的に考えると生涯賃金はもちろん、社会人としての経験も得ることができません。
徐々に自分の綿で自分の首を締めているようなものです。
正社員の道を外れて、一度でも非正規となってしまうと、抜け出すこともできずに気づいた時には手遅れになってしまいます。
新卒で入社した会社がつらい時にするべきこと
新卒で入社した会社がつらいと、人生に絶望して、正常な考えもできなくなります。
安易に転職をしてしまい、さらに人生が暗くなってしまうこともあります。
そういったことを防ぐためには、正しい選択をするべきです。
異動願いを出す
たいていの仕事の悩みは、職場の人間関係が原因となります。
要因となる人とは距離を取ることが根本解決になります。
会社を辞めてしまえば、安易ではありますが新卒で入社した会社をすぐに辞めるのは得策ではありません。
最終手段としての退職はありですが、それより先に行うことがあります。
それが、異動願いを出すことです。
ある程度の会社規模があれば、複数部署あるはずです。
営業部、総務部、人事部、経理部、経営企画部など
まずは自分のいる部署からの異動を願い出ることで、悩みの要因となっている人との距離を取ることが重要です。
メンタルを鍛える
もし、今いる部署から異動できたとしても、また同じような状況にならないともいい切れません。
なので、つらい職場を耐えるためには自分のメンタルを鍛えることが重要です。
メンタルが弱いままだったら、異動した先で同じ状況になったら、また異動しなければいけなくなります。
人間関係に悩みがあるのも、メンタルが弱いことが原因の可能性もあります。
ましてや、転職したとしてもメンタルの問題は付いて回ります。
メンタルを鍛えることは、この先の社会人生活においても重要なことです。
正しい知識やノウハウを手に入れる
また、メンタルを鍛える他にも大事なことがあります。
それは、正しい知識やノウハウを手に入れることです。
自分が何に悩み、解決するためにどんな方法があるのか、ノウハウを手に入れることが必要です。
何に悩んでいるか知らなければ、どうやって解決していいか分かりませんよね。
また、どんな解決方法があるか知らないと、何から手をつけていいか分かりません。
実際に行動に移すためのノウハウも必要になります。
例えば、美味しいお店を探したい場合、ネットや雑誌で調べて、食べログで口コミを見て、アクセス方法を確認しますよね。
悩みに対しても、しっかり知識やノウハウを使ってアプローチしなければ、解決することはできません。
まとめ
新卒で入社した会社が働きづらい環境だと、すぐに辞めることを考えてしまいます。
現代は、昔と違って転職することも普通になってきました。
なので、若い人はすぐに嫌なことや辛いことがあると退職を考えます。
しかし、若い人特に新卒で入社したばかりの人が退職してしまうと、その後の人生が厳しくなるのも事実です。
日本は治安がよく、思いやりの文化ですばらしい国ですが、挫折した人には厳しい社会です。
新卒を挫折すると、正社員に戻れなかったり、非正規社員では生涯賃金が低くなったり。
簡単に辞めてしまうには、あまりにもったいないです。
もし、働いている職場がつらいなら、辞める前にできることからやってみましょう。